
私が小学生になった頃から、両親の仲は急速に悪くなった。
二人が仲良く会話していた記憶はほとんどない。
父と母はいつも不機嫌だった。
そして母はいつも父の悪口を言っていた。
いつしか、私も妹たちも母と一緒になって父の悪口を言うようになった。
父と私たち(娘たち)の関係も悪くなっていった。
母の言うことを信じ「父はダメな人間だ」と考えるようになった。
家族だから、お互いに関するグチを言うこともあるとは思う。
例えば
「部屋をいつも散らかす」
「無駄遣いばかりして」
「今日も帰りが遅い」
こういった行動に対する愚痴は、まあ仕方ないと思う。
でも母の父への悪口は違った。
もっと人間性に対するものだった。
あるときは私たち(子ども)が知らないエピソードまで語って、母は父の悪口を言った。
また父の職場や仕事をバカにするようなことも言っていた。
子どもながらに
「父の給料で生活しているのに、なぜバカにするのだろう・・・」
と疑問に思ったけれど、その時は何も言えなかった。
父の学歴をバカにするようなことも言ってたけれど、母の学歴の方が低かった。
母の話を聞いて相槌を打ちながら、母を軽蔑している自分もいた。
夫婦も長く過ごしていれば、いろんなことがあると思う。
母には夫婦関係の悩みや苦悩があったのだと思う。
でも配偶者の悪口を子どもに言うのは、絶対にまちがっている。
たとえ悪口を言われても仕方のないようなひどい父だったとしても。
私にとっては、父という血のつながった親の悪口を言われていることになる。
そのことは、徐々にじわじわと子どもの精神に影響を与える。
母には友人がいない。
たまに母が「私の友達が・・・」なんて話すことはあった。
でも母の友人に一人も会ったことは無いし、家に遊びに来たこともない。
電話がかかってきたこともないし、年賀状も手紙も見たことがない。
母に大人の気の許せる友人が1人いたらよかったのにと思う。
お茶しながら夫婦間のグチを聞いてもらったり相談できる友達が母にいたら、子どもたち相手に毎日父の悪口を言うこともなかっただろう。
今考えても、子どもの時に母から父の悪口やグチは聞きたくなかった。
今でも意地悪そうに父の悪口を子どもたちに言う母の顔が思い浮かぶ。
なんて嫌な家庭だったんだろう。
子どもの頃の自分がかわいそうに思えてならない。
今でも両親に信頼感がなく、大事なことを相談しようとは思えない。