母はヒステリーにわめきながら私の参考書をビリビリに破いた

母は中途半端な教育ママだった。

 

小学生の私は月曜日から金曜日まで習い事があった。

どれも私が習いたいことではなくて、母が習わせたいことだった。

だからどれもたいして楽しくなかったし、中途半端にしか身につかなかった。

 

母は夫(私の父)に相談なく習い事を子どもたちにさせて、それも夫婦ケンカの原因になっていた。

 

家では、母が時々思いついたように参考書を購入してきた。

そして日曜日になると妹たちと食卓に集められ、問題を解かされる。

問題集が終わらないと遊びに行かせてもらえなかったから、文句を言いながらも勉強した。

 

小学5年のある時、私はその参考書を解くのが嫌でたまらなかった。

でも解くまでは解放されない。

だから私は軽い気持ちで、参考書の巻末の解答を書き写して母に見せた。

 

それを知った母はヒステリックに怒り、私の行為がどんなに悪いことか理解しているのかとわめいた。

そして私の目の前でその参考書をビリビリに破いた。

 

・・・そこまで私は悪いことをしたのだろうか。

ものすごくショックな光景だった。

もう勉強なんてしたくないと思った。

 

それがきっかけなのか、母は徐々に子どもの勉強への関心をなくしていった。

日曜日に勉強させられることもなくなった。

 

成長してからも、母に勉強のことを相談したことは一度もなかった気がする。

もちろん進路や将来のことについて、母と相談したこともないし、しようと思ったこともない。

 

私は孤独だった。

高校や大学といった重要な時期に、親に進路の相談をしたりアドバイスを得られないのは、本当に悲しいことだ。

 

アドバイスはくれなくても、せめて勉強や受験を温かく見守ってほしかった。

精神的な支えになってほしかった。

心を許して相談できる親がほしかった。

 

親の精神的な支えがあれば、若い頃にもっと色々がんばれた気がする。

 

 

息子が生まれてから

「私は絶対に母のようにはならない」

と母を反面教師のようにしてきた。

 

でも最近、私は息子にテキストや本を買ってきて、少し強引にやらせようとしてしまう。

「息子のため」という自分に都合のいい言い訳を心の中でしている。

でも、そんな私の心をしっかり息子は読み取って、親子で言い合いになる。

 

こんな自分に気づくとゾッとする。

息子を私と同じ目に合わせてはいけないと思いつつ、自分の感情のコントロールが効かないのだ。

 

息子が必要としているのは、私が買ってくるテキストや強引な声かけじゃない。

温かく見守ってやることなのに。

 

母に言いたいこと

私が必要としていたのは、温かい支えだったよ。

 

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