
母にされた冷たい態度や心無い行動は数多くあるけれど、
私より妹の方がもっと深刻な出来事があった。
運動神経が抜群だった妹は、スカウトされてあるスポーツの選手になった。
当時小1だった妹本人が選手になることに同意したかどうかは、わからない。
練習は週7回あって、夏休みなどは日に2回の練習だった。
何度か見学してみたら、練習はかなりハードだった。
さらにコーチの思うようなパフォーマンスができないと怒られ、バットのような棒でお尻を叩かれていた。
棒は柔らかい素材だったけれど、妹はお尻を叩かれるのがすごく嫌がっていた。
しばらくして、選手として結果は出していたけれど、妹は選手を辞めたいと言い出した。
でもなぜか母は辞めさせなかった。
どんなに妹が頼んでも、選手を辞めさせなかった。
そのうち、練習の時間になると妹は泣いて自室に隠れるように籠った。
どうしても練習に行きたくないと泣きながら家具にしがみつく妹を、
母は引きずって自室から連れてきて、無理やり練習に行かせた。
この光景が毎日繰り返された。
今では異常な行為だとわかる。
間違いなく虐待だと思う。
でも毎日この光景が繰り返されて、子どもだった私は何も感じなくなっていた。
あーまたやってるな、大変だな、と。
なぜ妹本人が泣いてまで嫌がっていることを辞めさせなかったのか、今でも理由はわからない。
でも母の性格からすると
「中途半端に辞めるのは良くない」
「親として恥ずかしい」
「せっかく結果が出ているのにもったいない」
・・・こんな考えがあったのだと思う。
そこには、妹の気持ちは考慮されていない。
泣いている子どもを見て、何も感じなかったのだろうか。
そこまでさせてやる意味は、何なのだろうか。
泣いて辞めたいという妹には選手生活を強要しておきながら、
母は飽きっぽくて、気がつくと辞めている趣味なども多かった。
自分のことを棚にあげて、よく妹に強要できたね。
母自身が物事を継続した経験がないから、嫌なことを無理やり続ける苦しさを理解できなかったのだと思う。
大人になってから、妹がぼそっと私に言った。
「私、お母さんのこと今でも嫌いだよ。あんなに嫌だと言ったのに、力ずくで辛い練習に行かされた。
練習ではお尻を叩かれた。はじめは好きだったその競技も、好きではなくなった。」
この出来事が妹に与えた影響は、とても大きい。
妹は運動神経がよく努力家で素直な優しい性格だ。
若い頃はモデルのような容姿だった。
でも今でも妹は自分に自信がなく、判断や決断ができないことが多い。
それは虐待だよ。
妹が泣いてお願いしている姿を見て、何も感じなかったの?