
自分と両親との関係を考えようと思ったキッカケは、他にもある。
両親との問題に向き合わないと、いつまでたっても穏やかな気持ちになれないと感じたからだ。
自分が大人になって、両親と物理的・精神的に距離ができれば、辛かった出来事も忘れられると思っていた。
でも実際はちがった。
自分が親の立場になって、自分の子どもの頃を重ね合わせてしまうのだ。
それでいっそう辛い気持ちになることに気づいた。
両親との問題は、時間は解決してくれない。
子どもの頃に父と母に言われて辛かったこと、傷ついたことが何かのキッカケで頭に浮かんでくる。
その頻度が、不思議と歳をとるごとに多くなってきた。
これまでは両親を恨む気持ちが出てくると、こんなことを考えた。
「欠点はあっても、両親は大学まで出してくれた。
楽しい時も会った。孫(息子)のことは可愛がってくれる。
うちよりもっとヒドイ家庭は山ほどある。
だから両親のことを悪く考えるのはまちがっている。
昔の出来事を思い出して、心の中で嫌な感情を持つなんて。
自分はなんて心の狭い恩知らずな人間だろう。」
子どもの時より厄介なことがある。
両親の行動や言葉で傷つくことだけではなく、両親に対するネガティブな気持ちを持つことで、さらに罪悪感を持ってしまうことだった。
これは二重の苦しみで、ツラい。
相反することが頭の中にあるのだから、いつまで経っても解決しない。
心も苦しい。
ただ年老いた両親と話をしたところで、自分の気持ちは救われないと思う。
それこそ、父や母に泣いたり悲しそうな顔をされたら罪悪感が増すだけ。
それに父と母は、私の辛さを理解することはできないだろう。
そんなことがわかる人間だったら、今私がこんなに悩むことはなかった。
もしかしたら自分の気持ちに向き合うことで、将来両親への思いが変わるかもしれない。
落ち着いて話し合いできる日が来るかもしれない。
でも、それは今は無理だと感じる。
だからもうこの際、認めてしまおう。
両親のことが好きじゃない。
はっきり言えば、両親ともに嫌い。
尊敬もできないし軽蔑している。
両親へのネガティブな感情は、私が悪いわけではない。
幼い頃からの両親の私に対する態度、家庭環境が原因だ。
だから悪い思いをここで吐き出して、それは自分には責任がないことを自分自身に納得させたい。
両親のことを嫌いでも罪悪感を持つ必要はないんだ、当然のことだと自分に言い聞かせたい。
そして若い時にグレずに、それなりの大人になって、それなりの人生が歩めている自分を認めてやりたい。