本心を隠すため、無意識に小さなウソをつき続けた

20代の中頃まで、私はよく「ささいなウソ」をついた。

これは半ば習慣になっていて、いつも自然と小さなウソをついていた。

 

どんなウソかというと

「昨日はうどんを食べた」→実際はラーメン

「昨日見たテレビ番組はXXX」→実際はちがう番組

「昨晩は10時に寝た」→実際は11時

 

本当にどうでもいいウソだ。

自分をよく見せるためのウソでもなかった。

 

たぶん大きいウソはつかなかったのに、こういう小さいウソは、息を吐くようにスラスラ口から出てきた。

小学生の頃からのクセだった。

 

20代半ばのある時、親友と外食をした。

時間を忘れるほどふたりでしゃべって、楽しかった。

でも内容は忘れてしまったけれど、その日も当然のように小さなウソをいくつかついた。

 

レストランを出ると、親友と別れてバスに乗った。

 

でも何かモヤモヤする。

バスに揺られながらそのモヤモヤの原因を考えるけれど、わからない。

 

しばらく考えているうちに

「あ!」

っとなった。

 

なんで私は大事な親友にどうでもいいウソをついているんだろう。

なんの意味もないウソ。

それでモヤモヤしていることに気づいた。

 

さらに、その日まで意識することなく小さいウソをついていたことに気づいて、愕然とした。

自分は一体何をしているんだろう。

 

その日を境に、小さいウソをやめようと決意した。

最初は意識しないと小さなウソをつきそうになったが、自分で気づけるようになった。

 

しばらくして、この悪いクセは消えたけれど、私はなんて性格が悪いのだろうとずっと恥ずかしかった。

誰にも言いたくない自分の秘密だった。

 

でも最近、悩むようになって様々な本を読むようになり、私だけの問題ではないのでは?と思うようになった。

これから書く私の分析が正しいかはわからないし、自分の都合のいいように解釈しているだけかもしれない。

でも私が小さなウソをつき続けた原因は、やはり家族関係にあると思う。

 

母の父への悪口や両親のケンカなどで、当時は気づいていなかったけれど私の心は傷ついていた。

家庭内で安心して本心をさらけ出すことができなかったので、外でも本心を出せなくなっていた。

本心をだすと、無意識に自分が傷つけられると感じていたのだと思う。

だから自分の本心を隠したくて無意識に小さなウソをついていたのだ。

 

でもこの分析をすると

「何でもかんでもいい歳して親のせいにして、本当に自分はダメだ」

という別の自分の声も聞こえてきた。

 

でもやはり、子どもに起こる問題は、ほぼ全て家庭に原因があると思っている。

 

子どもは悪くない。

健全な家庭で育てば、たいていの子は素直で、ウソをつき続けたりしない。

 

私に言いたいこと

無意識にウソをつかなければならないほど私は傷ついていた。
それは決して私のせいではない。

 

 

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