
小さい頃、母の言うことを聞かないとよくほっぺたを平手打ちされた。
それも手加減していないんじゃないかと言うくらい、痛く感じた。
子どもを憎むような顔つきでほっぺたを平手打ちした母の顔は忘れられない。
何にそんなに怒っていたんだろうか。
母が自分の感情をコントロールできなかっただけなのではないだろうか。
父にも数回程度と母と比べると少ないけど、叩かれたことがある。
さらに私や妹が言うことを聞かない、泣き止まない時は、玄関から外に出された。
冬の寒い日も容赦なく外に出された。
これはよく妹がされてた記憶がある。
結婚して夫の両親と話すことが増えた。
子ども時代の話になって、私が
「そういえば、言うことを聞かないと母によく平手打ちされました。痛かったな。」
とさらっと言ったら、義両親も夫も「え!」と驚いた。
実は、その時まで家庭内の体罰は、私の世代ではみんなあったと思い込んでいた。
だから世間話程度の感覚で言ったのだ。
でも義両親ははっきり言った。
「どんなことがあっても、子どもに手をあげたことは一度たりともない。ケンカしたり、言うことを聞かなくて追いかけ回したこともあるけれど、手は上げなかった。あげようとも思わなかった。」
それをきいて、ショックで恥ずかしかった。
そうか、普通のことじゃなかったんだ・・・と。
育児書や親子関係の本を読むようになって、体罰が子どもにどういった問題をもたらすか知るようになった。
今では体罰はどんなことがあっても、絶対にしてはいけない行為だと確信している。
中学生になると、母から叩かれることは無くなった。
でも、代わりに真顔でこんなことを言われた。
「もしグレたり悪いことをする子どもになったら、その時は家から出ていってもらう。」
今思い出しても、この母のセリフは母の冷たさをよく表していると思う。
それを聞いて、悲しい気持ちになった。
子どもがグレるって、きっと大変な状況にあるということ。
でもグレたことだけ非難して、助けてくれないんだな、と。
中学で少しグレる子もでてきたから、煩わしい問題を牽制したかったのかもしれない。
でも当時、私は生徒会の活動をするような、ふつうの中学生だった。
実際にグレたら、家を出ていけとは言わないかもしれない。
でも
「いつも味方だよ」
という両親の気持ちを感じたかった。
私が子どもだった当時は、今と比べると「家庭内の体罰」は、わりとあったのだと思う。
両親も余裕がなかったのかもしれない。
それが「しつけ」だと勘違いしていたのかもしれない。
でも体罰は暴力。
ほっぺたの痛みはおさまっても心の傷は治らない。
その体罰、本当に「しつけ」だった?
ちがうよね。