父の浮気がすべての始まりだった

父は、社会的に地位の高い仕事についていた。

引退した現在も「先生」と呼ばれることが多い。

 

そんな父が浮気をしたことが、両親の仲が険悪になった最初の原因だった。

当時、母は子どもたちのためを思ってはっきり浮気のことを言わなかったけれど、小学生だった私もあるきっかけで気づいた。

 

それまでは家族に多少問題はあったかもしれないけれど、家族で出かけることも多く、それなりに仲の良い家族だったと思う。

 

この浮気がきっかけで、母は父の悪口を子どもたちに言うようになり、笑顔を見せることも少なくなった。

 

さらに私が高校生だった頃、また父が浮気した。

もうとっくに夫婦間は冷え切っていて、両親のケンカを聞くのもうんざりしていた。

だからこれをきっかけに両親は離婚して別々の道を行けばいいと私は思った。

 

でも問題は解決しないまま、母は毎日寝込むようになった。

 

そんな中、父は浮気したことを友人たちとの飲み会でしゃべった。

その飲み会に参加した人が心配して母に電話をくれた。

 

・・・なんて浅はかな父だろうと心底軽蔑した。

 

その後、母を発端として親戚を巻き込んでの大騒動になった。

私は母のことも冷たい目で見ていた。

元々冷え切っていた夫婦なのに、なぜ今さらこんな大騒ぎをするのだろう、と。

 

結局母は突然家を出て行った。

出ていく前日、長女である私に10万円渡して「明日出ていくから」と。

 

「あ、そう」

と私は思った。

その頃の私は心が死んだようになっていた。

もうこれ以上親のゴタゴタに巻き込まないでほしかった。

 

母が出て行った後は、父と私と妹たちと暮らしていた。

 

でもしばらくして父が

「相手の女性とこれからここでみんな一緒に暮らすんだ」

と言った。

 

そんなこと、できるはずない。

さすがに母の気持ちを考えても、それはできない。

 

それを伝えると

「嫌ならお前たち(私と妹たち)が出ていけ」

と言われた。

 

当時私はすでに成人していたし、働いていた。

だから親に出ていけと言われても、仕方のないことだ。

 

でも父の言葉はショックだった。

家族より、その女性をはっきり選んだのだから。

 

そして現在。

いろいろあったし、もやもやもあるけれど、家族なんだからと、私も妹たちも父との交流は続いている。

 

でもある時、父が友人家族とのお酒の席で笑いながら言った言葉が忘れられない。

「あの家庭環境で、娘たちはよくグレなかったと思うよ」

 

確かに私たちはグレなかった。

でも心の中はズタズタだったよ。

それに父を許してない部分もあるよ、今は表面には出さないけれどね。

 

父に言いたいこと

本当は今も許していないよ

 

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